新世代CBの看板を背負って2018年に生まれた250ccネイキッド
2018年ごろのホンダはネオスポーツカフェをコンセプトに125cc、250cc、650cc、1000ccの新しいCBシリーズ4モデルを展開していました。もちろん1000がフラッグシップですけど、やっぱり注目度っていったら250です。
このバイクは今年2024年に惜しくも生産終了となりましたけど、その走りはなかなかのレベルにあり……今回はCB250Rの初期型(2018年式)を振り返ります。
まずエンジンからいってみましょう!
CB250Rの水冷単気筒エンジンは最高出力27馬力を9000回転で発生。大してCBR250RRは並列2気筒で最高出力38馬力を12500回転で発生。
これだけでもすこし見えるものがあります。そこまで高回転型ではありません。
片側にスーパースポーツとしてのCBR250RRがあるんだから「ネイキッドは同じキャラクターのバイクにはしなかった」ということなのかもしれませんが……それでも走りは当時からけっこういい感じでした。
ちなみにマフラーはけっこうボリュームあります。サウンドもバババッ!となかなか良い感じ。
スロットル操作に対する反応が良さそうです。
いきなり答えですが……
まぁ、正直に言ってしまいますが純粋に『速さ』が欲しい人はCBR250RRのほうがおすすめ。でもそこまでシビアじゃない世界で、走ることにワクワクしたい人にはCB250Rは良いです。
だって、オモシロい!
そして、あんまり難しいこと考えなくていい(笑)
これは軽さと単気筒エンジンの組み合わせの絶妙だと思います。
CBR250RRと比べてさえ20kg以上軽い車両重量144kg(※ABS仕様車)は、アクセルオンで即座に反応してスタタッ!と前に進みます。
単気筒エンジンの粘り強さに支えられているのでギアチェンジにも急かされず、スロットル操作だけでポンポン!と、跳ねるようにコーナーをクリアしていくことができるバイクです。
右から左へ車体を切り返す、その瞬間にスロットルを開けると、跳ねるように次のコーナーへ飛び込んでいけます。
テンポよく、リズムを重視。スッと動き出す車体の軽やかさを殺さずに、次々とコーナーをクリアしていくのが気持ちいいんです。
ブレーキは基本的にCB125Rと共通ですが、144kgの車体には充分以上の製動力。それよりも、この走りを楽しむにはコントロール性のほうが大事です。
以前、CB125Rに乗った時には『ラジアルマウントのブレーキキャリパーは高級感のためか?』あんんて邪推しましたけど……違いますね。これは上級モデルとなるCB250Rの走りを楽しむための装備なんじゃないかと思えています。
とにかくフロント周りの剛性が高い。だからブレーキフィーリングがわかりやすい。つまりスピードのコントロールがしやすいんです。
イージー&スポーティ!
このブレーキと車体剛性の高さを頼りに、自分にあった(怖くない)速度までコーナー手前で減速。エンジン回転数が落ちても、単気筒エンジンらしい粘りに助けてもらえば問題ナシ!
ブレーキとスロットル操作だけで、だいたいのコーナーが楽しくクリアできちゃうんです。
ひとつ問題があるとすれば、あまりにも運転がイージーなのでエンジン回転数などを気にしなくなること、でしょうか……
コーナーへの進入が高めの回転をキープしたまま思い切っていけるタイプなので、あまり調子に乗っていると知らずにレッドゾーン突入で頭打ちしがち。
なのでエンジン回転数はライダーがちゃんと管理。そうすれば「乗り手がバイクを走らせる」という面白さを存分に楽しめます。
本当に、けっこうシンプルに『スポーツする楽しさ』を味わえるバイクです。
なんといっても走りに気負いがない。例えばスーパースポーツのCBR250RRだと「うまく運転しないとカッコ悪く見られちゃうかも……」なんて思っちゃいますけど、このバイクはそうじゃありません。だってコンセプトはネオスポーツ「カフェ」だもん。
だけど本気で向き合うと、けっこう走れる! そこはやっぱり『Honda』してます。
それでいてオールラウンダー! 続編はCB250Rの『懐の深さ』についてお話させて頂こうと思います!
(後編へ続きます)