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充実装備と爽快な走りが魅力! YAMAHA XMAX ABS(2018年)【試乗インプレ】
YAMAHA XMAX ABS(2018)

文:太田安治/写真:赤松孝
※この記事は2018年2月23日にwebオートバイで公開されたものを再構成した記事です。
欧州仕込みの走りは上質でしっかりしたもの!
2000年代に隆盛を誇ったのが250ccクラスの、いわゆるビッグスクーター。前後に小径ホイールを採用した長い車体、低いシート高が特徴で、排気量を感じさせない存在感とアメリカンモデルのような安定性、リラックスできるライディングポジショによって若いライダーを中心に大人気となった。
2010年代に入ってからは景気低迷や都市部の駐車禁止取り締まり強化などの影響で国内のビッグスクーターブームは沈静化したが、ヨーロッパでは依然として高い人気。このXMAXは同社のTMAX530を頂点とする「MAXシリーズ」の中核モデルで、ヤマハのインドネシア工場が生産を担当し、1月25日から国内販売を開始した。2018年2月23日時点での内容です。

都内から市街地→高速道路→峠を含んだ田舎道というルートで試乗してみたが、最初に好印象を受けたのが、発進加速と定速走行のスムーズさ。ゼロ発進が穏やかで渋滞路でも扱いやすいが、スロットルをワイドに開けば6000回転台を保ってグイグイ加速。
マジェスティより9kg軽く、4馬力アップしていることを実感できる。高速道路の100km/hクルージングも余裕たっぷりで、単気筒とは思えないほど振動が少なく、吸排気音もメカノイズも静かなので実に快適だった。
次に感心したのがハンドリング。市街地でも剛性の高さは感じられたが、右に左に切り返す峠道では既存の250ccスクーターとはまるで違うシャキッとした反応。ステアリング回りがヨジれることも、リア回りがバタ付くこともなく、前後タイヤのグリップ状態が掴みやすいので安心して駆け回れる。高い安定性の中にスポーティーさを秘めたフィーリングはTMAX530によく似ている。

試乗後に観察してみると、フロントフォークは通常のオートバイと同じく上下にフォークブラケットを持つタイプを採用しているし、スチールパイプ製のフレームも剛性バランスを最適化しやすいダブルクレードル型に近いデザイン。
おそらくはユニットスイングのピボット位置やリアサスペンションの取り付け角度も入念に検討されたのだろう。コーナリング性能と乗り心地のバランスはヨーロッパのライダーが好む設定にしているのだろうが、日本の道路事情にも合っている。
豪華装備も満載だし、荷物の収納性も上々。コミューターとしてはもちろん、ツーリング適性もすこぶる高い。ビッグスクーター需要にしっかり応えてくれる仕上がりだ。
文:太田安治/写真:赤松孝
webオートバイ公開日:2018年2月23日
掲載記事は記事公開日時点での内容であり、時間の経過などに伴って内容に不備が生じる可能性があります。ご了承ください。